いつしか風の噂の世界で暮らすようになったチンピラ詩人。
時だけは容赦なく流れ風すらもその噂を運ばなくなりかけたそんなある日。
天使の囁きとアジトの香りに誘われて詩人はこの街にふらりと帰ってきました。

あの頃と同じ。
鍵盤を気ままに叩きながら合言葉と愛の言葉をメロディーに乗せていく。

そして今。

捲られたページに広がる夕暮れの街。
少しだけ不安になりながらも不思議と焦りは感じない。
まもなく夜がやってくる。
今夜はどれだけ月と言葉を交わせるだろうか。

「まあいいさ。夜が足りないのはいつもの事だからな。」

チンピラ詩人は月が顔を出すのをじっと待っている。
いつもの様にタバコの煙を燻らせながら。




今回もライブ＋トークショーをお届けします。
お見逃しなく！